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アルツハイマー病の早期診断を目指し、国内最大級の臨床研究を展開 |
2009年4月20日
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 村田 成二
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 村田 成二
NEDOでは、画像を指標としたアルツハイマー病の発症・進行を客観的に評価する手法を確立するための研究開発プロジェクトを実施しています。この度、参画する全国36の臨床施設において、施設認定等の臨床研究体制が整備され、大規模に臨床研究(軽度認知障害患者を中心に、600名、3年間の経過観察)を実施する段階に至りました。
アルツハイマー病総合診断体系実用化プロジェクトは、2007年度より本研究分野において国内有数の研究機関※1と36の代表的臨床施設が一体となり、製薬企業コンソーシアム※2、画像コンソーシアム※3の協力の下で研究を実施しております。本年度、春期J-ADNI※4総会を機に、研究機関、全国の臨床施設との連携をさらに強化し、本プロジェクトを広く紹介し、国民の皆様のご協力を頂き、研究の一層の加速を行います。
被験者としてご協力いただける方※5は、J-ADNIホームページのお問い合わせ先リストから、近在の施設にご連絡下さい。また、J-ADNI臨床研究事務局にて、ご相談もお受けしております。
- 1 研究機関;東京大学、国立精神・神経センター等、全10機関
- 2 製薬企業コンソーシアム;アステラス、エーザイ他、全10社
- 3 画像コンソーシアム;GE横河、東芝メディカルシステムズ他、全7社
- 4 J-ADNI;Japanese Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative
- 5 年齢が60歳から84歳までの、もの忘れがあり軽度認知障害と診断される方で、3年間に渡って続けて研究にご参加いただける方が対象となります。
1.概要
「アルツハイマー病総合診断体系実用化プロジェクト:根本治療の実現に向けて」(アルツハイマー病、以下AD)は、「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発」制度において、2007年度より文科省、厚労省、経産省の三省連携体制のもとに進めております。本制度は、先端技術を応用した高度医療技術の開発により、テーラーメイド医療・予防医療・再生医療の実現や画期的な新薬の開発、医療機器、福祉機器等の開発・実用化を促進する、経産省「健康安心イノベーションプログラム」の一環として2007年度よりNEDOが実施しており、現在、15件の研究テーマ(当該プロジェクトを含む)を推進しております。本研究はNEDOがバイオテクノロジー開発技術研究組合に委託して実施しており、サロゲートバイオマーカー※6(特に画像指標)を用いた軽度認知障害(MCI)から軽症ADへの進行の客観的評価法を策定し、続々と開発されつつあるADの根本的治療・予防薬の評価に資するため、オールジャパンの体制で大規模な臨床観察研究を行う“J-ADNI”をその中核活動とするものです。J-ADNIは諸外国のADNIプロジェクト、内外の製薬、画像診断、診断薬企業とも連携し、日本におけるAD・認知症治療の基礎を確立するとともに、根本治療薬の一刻も早い実用化を可能とするものと期待されます。
- 6 サロゲートバイオマーカー:疾患の診断や薬効評価において、因果関係が厳密にわかっているわけではないが代理となる指標のこと。
2.AD研究の重要性
ADを主因とする老年性認知症患者の数は、今世紀半ばには日本でも500万人を越えることが予想されています。根本的治療薬・予防方策の確立は、医学ならびにヘルスケア関連産業に残された最大の課題であるといえます。近年の基礎・創薬研究の進展により、アミロイドワクチン療法、セクレターゼ阻害剤をはじめとするADの根本的治療法が創出されはじめ、ヒトを対象とする臨床試験が盛んになりはじめたものの、根本治療法を開発するには、〔1〕従来の評価法における結果のばらつきと効果判定の不確実性、〔2〕長期治験期間(3年以上)と莫大な治験費用、〔3〕根本治療薬の効果判定に必要なサロゲートバイオマーカー不足、のような重大な問題点の解決が必須です。すなわち、ADの発症・進行過程を忠実に反映する客観的評価法の確立が求められております。3.ADNIとは
米国では2005年よりAlzeheimer’s Disease Neuroimaging Initiative (ADNI)と命名された国家規模の巨大臨床研究が開始され、現在欧州、豪州でも同様のプログラムが動き始めております。ADNIは、多数の高齢被験者に対し、磁気共鳴画像法(MRI)を用いた脳容積測定、陽電子放出断層法(PET)による機能画像評価などの神経イメージングと、血液・脳脊髄液などのバイオマーカー測定を2つの柱として、記憶検査などの臨床評価とともに継時的に臨床検査を施行し、MCIからADへの進行を正確かつ客観的に評価する方法を策定し、根本治療薬の臨床治験に役立てようとするものです。日本人には固有の遺伝的・人種的背景があること、教育・生活様式も欧米人と大きく異なることから、根本治療薬に対する反応の違いが生じる可能性も高く、将来的に臨床治験を実施する臨床施設が、予めADNIのような厳密な観察研究を施行し、客観的指標や臨床診断の統一化を図ることは、将来の抗アルツハイマー薬開発における国内製薬企業の国際展開にも必須と考えられます。
4.研究成果
- 臨床心理検査法の国際統一;米国版の14種の心理検査法の厳密な邦訳版を完成、データの国際的互換性を確立。
- 画像装置の統一撮像法の確立と36臨床研究機関における検査体制の整備;施設間で生じる測定較差の解消と、全国を網羅した大規模臨床研究体制を確立。
- 機種間差の解消、画像補正方法等の開発;異なるメーカー・機種の撮像装置間に生じる較差の解消、歪みやノイズの補正を実現。
- MCIを中心とするボランティアの研究参加;AD前駆状態を含む「軽度認知障害 (MCI)」ならびに健常高齢者、軽症AD患者を含むボランティアの募集、安全な研究参加体制を確立。
- 先行研究(米国ADNI)の進捗、結果解析とJ-ADNI研究への反映;米国ADNIの3年間の進捗を参考に、国際的データ互換性を高める研究体制作りを達成。
- 新規血液バイオマーカーの探索;日本独自の血液バイオマーカーを同定、臨床応用に向けて研究を開始。
- 世界4極ADNI研究連携体制の確立;日本、米国、欧州、豪州のADNI研究の成果に基づく国際標準化に向けて、世界的研究体制を樹立。
5.お問い合わせ先
<本プレス発表の内容について>NEDO
バイオテクノロジー・医療技術開発部
澤田 育久、林 智佳子、古川 善規
〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310
ミューザ川崎セントラルタワー19F
TEL : 044-520-5231 FAX : 044-520-5233
<被験者登録について>
バイオテクノロジー開発技術研究組合
J-ADNI臨床研究事務局
斉藤 雷太
〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1
国立精神・神経センター病院内
TEL : 042-347-3326
技術部
上野 正孝
〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目3番9号 宮下ビル3
TEL : 03-3595-0372
<その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ>
NEDO
広報室
坂本、萬木、山本
TEL : 044-520-5151

